農地贈与と税制の重要ポイント
2025/08/12
皆さんこんにちは。
世間を騒がせた「令和の米騒動」ですが、政府が備蓄米を放出し、米の店頭価格が落ち着いてきたことも相まって、ここ最近はテレビや新聞でもあまり取り上げられなくなりましたね。
ただ、今回の騒動をキッカケに、政府は今後の農業政策について従来の政策を転換、増産を推進していくそうですね。
今後、米作りが「経営努力次第では儲けることができる産業」となり、若い世代の方たちの関心を集め、就業者の増加に繋がれば良いと思っています。
話は変わりますが、例えば親が耕作している農地を子供が世代交代で贈与を受けた場合、通常であれば子(受贈者)に課税されるべき贈与税が、ある一定の条件を満たすことにより、納税を猶予してもらったり、最終的には免除してもらえたりする制度があることを知っていますか?
今日は、その概要についてご紹介いたします。
ちょうどお盆の時期、お父さん、お爺ちゃんの田畑を引き継いで農業を始めてみようかと考えている方がおられたら、ぜひお読みください。
⑴ 制度の概要
この制度は、農業を営む親などから農地等を贈与された場合に、一定の条件を満たせば贈与税の納税を猶予し、将来的に免除される可能性があるとというものです。この制度は、贈与税の負担を軽減しつつ、農業の継続を支援する重要な政策的措置です。
目的:農業の担い手を次世代へ円滑に承継することを支援し、農地の有効活用と農業の継続を促進する。
対象財産:農地、採草放牧地、準農地(農業振興地域内で農地に準ずる土地)など。
猶予の仕組み:贈与税の申告期限までに担保を提供すれば、贈与税の納税が猶予されます。
贈与者が死亡するまで、又は受贈者が農業を継続している限り、納税は求められません。
免除の条件:贈与者の死亡後も農業を継続している場合など、一定の要件を満たせば猶予された贈与税は免除されます。
⑵ 適用要件
納税猶予を受けるには、贈与者・受贈者ともに以下のような要件を満たす必要があります。
① 贈与者(財産をあげる方)の要件
・贈与時点で3年以上継続して農業を営んでいる個人であること。
・贈与する農地等が実際に農業の用に供されていること。
② 受贈者(財産をもらう方)の要件
・贈与時点で18歳以上であること。
・贈与された農地等を自ら農業の用に供すること(農業経営を開始すること)。
・贈与税申告期限までに担保を提供すること。
・贈与者の推定相続人(子供など)であること。
ただし、贈与後に農地を譲渡・転用したり、農業を廃止した場合には猶予が打ち切られ、猶予された贈与税の納付が求められます。
⑶ 具体的な手続き
制度を利用するには、以下のような手続きが必要です。
① 贈与税の申告
・贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、所轄税務署へ贈与税の申告書を提出。
・申告書には、納税猶予を受ける旨の記載が必要。
② 担保の提供
・贈与税の申告期限までに、猶予される税額に相当する担保(不動産や保証人など)を税務署に提供。
③ 証明書類の取得
・農業委員会や市町村長から、贈与者・受贈者が要件を満たしていることを証明する書類(例:贈与者が3年以上農業を営んでいたことの証明、受贈者が農業を開始したことの証明)を取得
⑷ 継続報告
・毎年、農業を継続していることを税務署に報告。
・農地の譲渡や転用があった場合は、速やかに税務署へ通知。
このように、制度の適用には複数の行政機関との連携と継続的な報告が求められますが、適切に運用すれば贈与税の負担を大きく軽減できます。
関心のある方は、当事務所へお気軽にお尋ねください!
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